姉妹都市の交流には国際親善や地域振興、相互理解や国際社会の平和などの目的はあるものの、これらの要素が強過ぎて、今までの関係性からの経済的交流は一部自治体で実践はしているが、現状、経済協力が活発化する契機とはなっていない。文化的意味合いの薄さを相手都市側が感じれば、経済的交流がスポット的であったり、発展しないケースも少なくない。文化的交流から入らずに、スタートから相互の経済的メリットにフォーカスを充てた協力体制を敷くことで、経済活動の機会のハードルを低くし、日本経済を活性化させる可能性を見いだせる契機になると考えた。
新たな経済協力体制では、技術・経済交流、販路開拓、人材育成と共有、観光推進、企業誘致、外資系企業のビジネスマッチングなどを目的とする。もし全国的にモデルとなるような経済協力体制を築けた場合は、その周辺環境などを加味しながらその都市を新たな経済特区に指定する。また、貿易を主とした経済活性化を成しえた場合は、その都市の港湾の存否に関わらず、輸出加工区として指定できるように、近隣の港湾保税区とのタイアップの可能性も探っていく。その結果、更なる雇用の拡大と外貨獲得を目指していける可能性を追求できる。加えて、経済協力体制を敷いている姉妹都市を中心に、国の支援を得ながら経済に関する何かしらの「国際機構」を設立させ、複数の姉妹都市の経済連携をネットワーク化することで持続可能な体制を整えていく。結果的に、都市間で経済がうまく回った状態を作り上げれば、文化交流や地域活性化における予算も今までより前向きな検討・審査をすることができる自治体が増え、企業スポンサーを広く募れる機会が自然と作り出されていくことも想定できるようになる。
そして、この姉妹都市による経済協力体制の目的で職務に就く外国人には、「姉妹都市経済戦略ビザ(仮称)」を発給し、都市間の戦略に関わる重要な人材であることを意識させた上で、目的及びコンプライアンス等に対してはより高い意識付けを期待する。また、このビザ制度を契機として、既存のビザにおける発給システムも見直し、現状、増え続ける外国人の居住・受入については日本政府主導で、ある程度の調整・制御が可能な状態にしておきたい。
最後に、日銀による金融緩和はテーパリングに入り軟着陸を目指しているが、財政政策における構造改革の投資刺激の一端を担う政策となり得るように、日本政府でも議論や改善を進めこの政策案を固めていってもらえばと考える。国際姉妹都市をまだ提携していない綾瀬市などにおいても、議案として一度検討してみてもよいのではないかと思う。