新産業拠点に位置づけられた神奈川県綾瀬市の早川中央地区。大型物流倉庫の建設計画に揺れている。近隣住民が生活環境の悪化を懸念するのはもっともだと思う。交通渋滞や交通事故の増加の可能性は容易に考えつき、騒音や異臭などの公害の可能性も否定できない状況になろうかと思う。一方で、雇用促進や市の更なる財源確保、災害発生時の避難所の役割などは大いに期待できる。更に、近隣住民の資産価値が高くなる可能性を秘めている点に注目してほしい。私が住民ならば、代替的解決案を前出のデメリットと比較して天秤にかけつつ挙げていくであろう。資産価値が高くなる可能性については、要求の声を大にすることで実現の可能性を高めることができる。要するに、最終的に綾瀬市民全体のメリットに繋がる可能性があることをアピールできるかどうかだ。例えば、早川城山地区から藤沢市石川方面への綾瀬市内鉄道の敷設を要求する。鉄道ができることによって交通の利便性を確保するというメリットを得ることだ。綾瀬市内に短くとも有用な鉄道ができることによって、鉄道延伸について、近隣都市や電鉄各社と交渉しやすくなり、ゼネコンなどの都市開発企業と人口増計画を実現することもいよいよ視野に入れていくことが可能になる。市議や市民の代表者らが中心になって、鉄道の部会や審議会、研究会などを立ち上げ、県や国に必要性を訴えていくことも重要だ。これを根廻しして保障できる勇気と交渉力を持った代表者が存在しなければ、住民に遺恨を残しながらの一応の解決で完了してしまうことも考えられる。雇用促進という点からも鉄道を敷くという選択肢を検討する機会があっても良いだろうし、車やタクシー、バス以外の交通手段ができるということは、なにより住民にとっての生活パターンや市勢に多少の変化をもたらすに違いない。
また、倉庫内に避難場所としての機能を組み込んでいけるかどうかもポイントだと思う。
市民や市内勤務者に、物流倉庫が避難場所として認知されるには、雨風をしのぎ、通気性も考えられていることを前提とした設計で検討しなおさなければならないが、遠回りしても丁寧に設計を見直したいところだ。そして、トラックが通る近隣の主要な道路については、ガードレール設置の徹底を要求したい。これらはまだ思案に過ぎないものの、市民の生活と市政をより良くするという両面から解決するという点で言えば、どちらかの一方的な意見で問題解決を計ってしまうことについては時期尚早であると思うので、対話により住民や市民全体の更なるメリットと新たな展望を模索していく必要がある。